2014-02-10
このヴァイオリンは久しぶりにケースを開けたらこうなっていたそうです。
所有者の方にとってはサブ楽器なので この際『バロック・バイオリン』として整備して活用したいとのことで‥ 私は 1ヵ月程で仕上げる予定で整備に取りかかりました。
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ご存じな方も多いように 17世紀から18世紀半ばにヨーロッパの諸地域で流行したヴァイオリンを『バロック・バイオリン』と総称しますが、それは製作された時期と使用された地域によって弦楽器としての特徴にかなりの幅があります。
MUSICA ANTIQUA SHONAN
Toro Strings
violin 1e ( 058 ) VNRE058 ¥ 650
violin 2a( 078 ) VNRA078 ¥ 880
violin 3d( 104 ) VNRD104 ¥1,200
violin 4g( 072 Silver Wound ) VNSG072 ¥4,200
Taillpiece for violin, Laminate, BAROQUE SET TPVNLABR02 ¥6,000
そこで私はこのヴァイオリンの整備を テールピースやプレーン・ガットは依頼者が『 ムジカ・アンティカ湘南 』さんに直送依頼をされたものを用い、駒はもともと取り付けられていたフレンチ・モデルを上写真のように 私が削りなおしてバロック駒とし、その上で 現実的な整備費用( ¥ 300,000-)で仕上げるために継ぎネックをしないで整備が可能な モーツァルト( Wolfgang Amadeus Mozart 1756 – 1791 )やハイドン( Franz Joseph Haydn 1732 – 1809 )が交流した 1781年頃のピリオド楽器のイメージを目標として作業に取りかかりました。
October 15, 2013
表板を剥がしてからネック・ブロックと側板のニカワ接着に取りかかりました。
October 16, 2013
ライニングの接着修理工程です。
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October 18, 2013
ひき続きライニング接着をすませたのちにロワー・ブロックと側板の接着をしました。
October 19, 2013
やっと解体作業が終了しました。
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October 21, 2013
裏板割れに入っていたパテと古ニカワの除去を行ないました。
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November 13, 2013
乾燥工程と修理準備がありましたので3週間を別の仕事に使いました。
本日から作業を再開し11月26日の引き渡しをめざしてまず裏板のエンドブロック側の割れ修理です。ここは過去にロワー・ブロック側が割れ目をナイフで削って成形しクサビ状に木の板を差し込む修理(?)をやろうとして たぶん上手くいかなかったのでしょう‥ナイフですこし削った後にパテで埋めてありました。
修理の準備で補助木片を接着しておいたのを用いてニカワ接着のために‥ 下の状態から “手術開始”です。
残念ながら 板が割れた状態そのままでしたら ニカワを入れてこの補助木片をハタガネで締め込めばピッタリ着くのですが、この裏板は外側からナイフで削られてV字状になっていますので 今回は可能な限りよせて水平面が狂わないように接着しました。
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November 14, 2013
残りの3本の割れを接着しました。
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November 15, 2013
指板の成形工程にはいりました。
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