François Peccatte ( 1821-1855 ), Cello bow 1850年頃
昨日は、ドミニク・ペカットの弟である フランソワ・ペカットが1850年頃に製作したチェロ弓の “S”字型尾根 ( “S” shaped ridge )を撮影しました。
Illumination of a Tononi Cello with Leonhard Rank.
最近は デジタル・カメラの普及から、このような 赤外線スキャン動画 ( infrared scan image ) でさえも手軽に撮影できるような状況となり、デジタル・カメラの接写機能によりオールド弓の画像も豊富になってきました。
それでも 習慣的に撮影されることがほとんど無かった部分、例えば ヘッドの “S”字型尾根 ( “S” shaped ridge )などの画像は、まだまだ 自助努力が必要とされる状況が続いています。
François Xavier Tourte( 1747-1835 ) Cello bow, 1810年頃
François Xavier Tourte( 1747-1835 ) Cello bow, 1823~1825年頃
昨日 メンテナンスのために、お預かりした フランソワ・ペカット( François Peccatte 1821-1855 )が 1850年頃に製作したチェロ弓は、私が 1995年頃に販売したものです。
その時に 真贋を識別するために確認した “S”字型尾根 ( “S” shaped ridge )を、28年後に やっと撮影することが出来ました。
François Peccatte ( 1821-1855 ), Cello bow 1850年頃
François Peccatte ( 1821-1855 ), Cello bow 1850年頃
François Peccatte ( 1821-1855 ), Cello bow 1850年頃
私は、オールド弓のヘッド尾根線 ( Bow head Ridge line )に見られる “S”字型などの特徴を検証すれば、70年程前に失われた高性能な弦楽器弓の製作方法につなげられると考えています。
過去にあった製法の”復活”ですが・・・最近のデジタル技術の普及から展開されたものですから、これも 広い意味では “DX”( デジタルトランスフォーメーション )であると思います。
2023-4-04 Joseph Naomi Yokota