ヴァイオリン のネック部が振り子のように揺れてくれれば さぞ凄い響きが生まれるかもしれません‥ 。
このヴァイオリンは ジェローム・チボヴィーユ・ラミー( Jerome Thibouville Lamy 1833- 1902 )が設立した J.T.L.社( Jérôme Thibouville-Lamy & C. ) のフランス東部 ミルクールにある楽器工場で 1/4サイズ( 267.0mm )の上級品として製作されました。私は 1902年頃にフランスで製作されたと考えています。
そもそもこのヴァイオリンは 私が 20年程前に販売したものですが、その 2年後のネック折れは衝撃的でした。
このヴァイオリンは 製作されて 90年程の期間 ネックが折れなくて使用出来たのですから個人的には評価しようと思いますが‥ 私にはこのやり方は真似ができません。
この J.T.L. ” Le Parisien ” シリーズは 1901年版カタログで 1/2と3/4サイズが登場し、1/4サイズは 翌年の 1902年版と1907年版に掲載されているのを私は確認しましたが 下にあげさせて戴いたように1912年版では すでに製造が中止されたのがわかります。
それから関連資料が少ないため断片的な情報による推測ですが 私が以前読んだ資料に1909年頃にミルクール工場で火災に伴う大幅改変があった記述を目にしましたので、この 1/4 サイズ( 267.0mm ) ” Le Parisien ” シリーズは 1902年から1909年の期間製作されたのではないかと個人的には 思っています。
1867年 J.T.L.カタログ http://www.luthiers-mirecourt.com/thibouville1867_2.htm
1901年 J.T.L.カタログ http://www.luthiers-mirecourt.com/thibouville1901_1.htm
1912年 J.T.L.カタログ http://www.luthiers-mirecourt.com/thibouville1912.htm
1919年 J.T.L.カタログ http://www.luthiers-mirecourt.com/thibouville1919.htm
2016-10-21 Joseph Naomi Yokota