ヴァイオリンの誕生につながった重要な技術 について

Mandora 1420年頃 L 360.0 W 96.0 D 80.0( 83.0 ) Wt 255 g - L L

Mandora 1420年頃 L 360.0 W 96.0 D 80.0( 83.0 ) Wt 255 g - J LMandora 1420年頃 L 360.0 W 96.0 D 80.0( 83.0 ) Wt 255 g - F L

Mandora 1420年頃 L 360.0 W 96.0 D 80.0( 83.0 ) Wt 255 g - K L

 

 

 

 

私は ヴァイオリンなどの コーナー部の非対象性‥  特に A コーナーと B コーナーの剛性差を 音響システムと考えています。

私の考えでは ヴァイオリンの響胴はF字孔端が弦の直接振動により内部の空気に疎密波を生じさせ( 一次振動 )、それがヴァイオリンの “駆動系”により表板の波源部にうまれた「 ゆるみ 」を共鳴振動させる( 二次振動 )仕掛けとなっていると考えています。

コーナー部の剛性差について単純モデルとして考えると 静止状態では 四角形 ABCD の重心が点 G にあるととらえます。それが 響胴のねじりによって 点 A 部が他の剛性に負け、それにより 三角形 ABD が一時的に機能しなくなり 相対的に剛性を保った 三角形 BCD の重心点 H に重心が移動するというイメージとなります。

因みに、コーナー部の剛性差については表板の設定と裏板のそれが違っていることも留意すべきだと考えます。

私は 裏板側 A コーナー部に剛性をさげる工夫がしてある場合には 表板のコーナー部では 裏板 B コーナー部にあたる 表板 Bass side – Lower corner に同じような工夫がしてある可能性が高いと思います。

左図では 左側角が振動の起点となり奥の角がリレーションすることで「  ゆるみ 」が生まれます。また右図は対称型で 手前の角がリレーションします。

私は 裏板の初動として ご説明した ねじりが 確実にすばやく起こるように工夫することで『 オールド・バイオリン 』などの弦楽器は すばやい音の立ち上がり( レスポンス )を確保していると考えています。これには “一定の剛性比”をふくむ 非対称性が重要な条件であると言えるのではないでしょうか。

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